新規事業の立ち上げノウハウ。自身が進めた実例を書いてみた。

新規事業の立ち上げノウハウ。自身が進めた実例を書いてみた。

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先日書いた営業マン時代での改善がかなり読まれてましたので、(読んで頂き、ありがとうございます)。営業物販の会社からIT会社への転身について書きます。こちらは、既存事業から新規事業を立ち上げて、業態変更や拡大を考えるときにお役に立つかと思います。

以前の記事はこちら

http://inote.co.jp/marketing/be-sure-to-be-improved-by-profitable

 

 

■時代の流れには勝てない。

 

当時、私はBtoCの営業マンをしていた訳ですが、インターネットの普及により消費者行動が大きくかわり、だんだんと営業活動がキツくなっていった時代です。売上あがらないとやめる営業マンも増えいき、仲間が減っていきます。そういった中で、私は社員がその先も働けるビジネスを作る!という想いで、新規事業の開発と立ち上げが急務となったのです。

 

 

■チャンスは突然おりてくる。

 

当初は、その案の起点というのが、営業のリストをインターネットで作れないか?というところにあったり、ワンコインサロンでのリアル店舗からの展開、ブログサービス、ネットオークションなどインターネットからの展開、様々な新規事業の案が上がりました。

しかし、私の中ではリストの為ではなく、次の新規事業を創らないといけない。時代には勝てないという意識が強くありました。その中で私が選んだのがインターネットという分野でした。試行錯誤している間に舞い込んだ案がSEOというものでした。当時(関西)では、まだSEOという認知があまりない時代です。でも凄い衝撃的なことが起こるのです。yahooで希望したキーワードで1位とか1ページ目に上がるのですよ。よし!これだと思い、まずは、それを売ることにしました。

 

 

■業界内とお客さんの理解度は違うことに気づく。

 

しかし、SEOの売り方が分からない。「SEOといってyahooで上位表示されます!」とアポイントで伝えてもクライアントには、ほとんど伝わらないのです。

そこで、少し切り口を変えて「ホームページ作成」という誰でも分かる表現に変えてアプローチすることにしました。結果的に大手企業も含めて数社にご契約頂きましたが、どちらかというとSEOというよりもホームページのリニューアルに上位表示はオマケ的な形でした。

まだ、インターネットで上位にあがるということの価値と、インターネットで集客に繋がるということが認知できない人が多数でした。業界内のことと市場では理解度に差があるということを気づきました。

その中で、エクステメーカーとのお取引があり、その企業が経営されている美容室へのSEO対策ということも提案しましたが、美容室の売上からするとコスト的に合わずに契約とは至りません。

どうすれば伝わるのかを考える日々が続きます。そんな事を繰り返しているうちに、平行して作っていた自社サイトが出来上がってきました。

 

 

■新しいということと、難しいということは違う。

 

この新規事業は、女性をメインとしていたので、女性ターゲットとした美容のオークションサイトです。

オークションといっても、逆オークションという入札制度のようなものでユーザーが提示した「キレイになりたい!」という希望に対して「小顔どうですか?3000円で」とか「痩身どうですか?」とか店舗が自社のサービスを入札していくサイトです。

自社のお客さん層であった、自信のない女性に少しでもキレイになれる自信に繋がるサービスを提供したいと思って作ったのですが、全くうまく行きません。

当時では、ユーザーも店舗側もまだまだインターネットのリテラシーが低く難し過ぎたのです。新しい便利だと思ったサービスと、ユーザーが使う難易度とは違うのです。面倒なことは使わないのです。

サービス提供側からすると、それは日々触れているので当り前のことでも、ユーザーは生活の中のたった1部でしかないのです。簡単でないと、だれも使ってくれないと学びました。

この時点で新規事業の案が上がってから半年以上たっています。SEOも思うように売れない。当然売上が上がらないので受皿をつくるというよりも、逆に社員は減っていきます。

しかし、ここで閃きました。SEOを美容室でも買える価格で提供できないか?と。

 

 

■一度、引いた目線で見なおしてみる。

 

当時の美容室の広告といえば、フリーペーパー全盛期です。

だいたいが、1掲載で5万円〜30万円します。なのでフリーペーパーに載っている美容室はいつも同じで、お金があるか、フリーペーパー掲載に抵抗がないお店ばかりです。しかし、SEOの営業をしている中でみる「可愛い美容室」は載っていない。なぜだろう?調べました。

可愛いお店が載ってない理由は、掲載費が高いということだけでなく、「フリーペーパーに載せることで、イメージが良くない安売り店舗に見られたくない」ということが浮かび上がってきました。

広告を出していないお店、中にはホームページもないお店で、こんなに良いお店があるのに、もったいないなと思っていました。

そこで、「そう言えばインターネットで、美容室って探すところってあるのかな?」と調べてみました。数件サイトはあったわけですが、情報量はフリーペーパーに比べて少ない。画像もよくない。お店の魅力が伝わっていない。

もっと、良いお店がイメージそこなう事なく広告できればいいな。あと、ホームページないお店が、安くでホームページを持てればよいなと思ったわけです。引いた目線でみると、違うサービスとして見えてくるのです。

そして、月額1万円で、ホームページ替わりになる。SEOでも上位に表示される美容ポータルサイトというコピーでのサービスにたどり着くわけです。

 

 

■値付けは視点を変えてみる。

 

当時の競合サイトの相場は、月額3000円~5000円でした。しかし新参者のポータルであったにも関わらずに、自社は10000円という価格に設定しました。競合サイトの2倍から3倍です。

それには理由がありました。当時はまだCMSで自社のホームページを作るとそこそこの金額がかかっていました。通常のホームページでも月の保守費用が10000とか20000円とか掛かっている時代です。更新するにも制作会社にその都度頼まないといけません。

私が、競合として意識したのはホームページだったのです。そしてフリーペーパーより安く、ホームページの保守費用と同じかそれ以下という価格設定をしました。

初期費用としても50000円頂きました。しかしその中で、当時ではあまりなかったカメラマンによる店舗の写真撮影とライターによる掲載文章のライティングをサービスしたのです。

これは以前SEOを販売していた際に、ホームページを作るときの素材をお客さんは持っていなくて、それを作ることは、お客さんにとってはとても面倒なことだったのです。

競合とは、サービスそのものよりも、お客さんのニーズでみると広がります。これは大切な視点だと思っています。

 

 

■ビジョンとスキルが一致すればあとは走るだけ。

 

いろいろと、立ち上げの試行錯誤があった中で、ようやく新規事業のサービスが固まりました。

その過程で、いろいろなビジョンが一致して行きました。もともと営業マン時代にあった「女性に自信もってもらえる機会をつくること」と、SEO営業していて気づいた「よいお店をもっと皆に知ってもらいたい」こと、それを実現できそうな事が美容室のマッチングサイトだった訳です。

そして「今いる社員が今後も自信もって働ける場所をつくること」それは、これから伸びると言われていたインターネット広告という分野でした。

その時点で、自分のスキルは営業力と少しかじった程度のSEOの2点。それ以外は全くの未経験でした。ただただ決まったビジョンとサービスを広めることだけを見て走りました。昼は営業、夜もどってSEOの仕込み。とにかく3年間は遊ばないと決めて、それを黙々と繰り返しました。

 

 

■まとめ

 

とにかく新規事業の立ち上げは、試行錯誤です。もう10年近く経ちましたが大事なことは仲間と思います。

新規事業の立上げ時には、相談相手と同じビジョンで取り組む仲間がいるかいないかで大きく変わると思います。

ここに書いた試行錯誤や解決方法が見えたこともすべて私ひとりでやった訳ではありません。当時、まだサイトがない時に一緒に走ってくれた仲間や、サービス化して立ち上げ間もない時に走ってくれた仲間。あーでもない、こーでもないと一緒に考える仲間の知恵があったからだと思っています。

一人で考えることは本当に大変で、また間違った方向で妥協する危険もあります。また新しいコトを始める場合に必ず反対者がいます。これはいて当然です。当時はイヤでしたが、いないとなんとなくの安心感をもってしまい、そこで成長は、終わっていたかもしれません。

新規事業の立ち上げは、仲間ととにかく失敗しながらのチャレンジです。

 

■最後に

 

私も、起業や創業時に立ち会うことは自身の職場として4度あります。それ以外に立ち上がらなかった(事業化できなかった)経験も何度かあります。そして失敗も多々あります。失敗の原因はヒトの問題や資本の問題、そもそものビジネスモデルの問題と様々ですが、新規事業が立ち上がった時は、創業者のビジョンとやるぞという執念。そしてタイミング。最後にヒトだと思っています。

それが、今はインターネットによって凄くよい時代で、そのパートナーと合う機会も増えていると思います。また働き方の意識が、終身雇用から変わっていたこともあり、その仲間は社内でなくとも良い時代になってきています。

今思うことは、時代は自分や事業とは関係なく変わっていきます。経営者の仕事とは、は次の5年、10年をみた仕事を創ることが社長の仕事だと思います。

1点でも自社にあるノウハウやリソースを使って、イノベーションを起こすこと。世界的には、IT革命、経済の中心の南下。国内では、少子化。高齢化社会。人口の一極集中。この大きな変化がある時代には、必須なことだと私は考えています。そしてチャンスでもあります。

「次を創ること」こんな楽しい仕事はないと思います。そのような想いのある経営者や起業家へ自身の経験から、お手伝いが出来る事であれば参加したいと思っています。

また、私自身もチャレンジしています。そして次の世代への働くを創ることそれが私のビジョンでもあります。

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マーケティングや事業戦略のサポートを行い中小企業・ベンチャー企業の次世代ビジネスの創造を手がける。株式会社アイノート、代表取締役。

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