人気の職業を分析すると顧客のニーズが見えてくる。

アメリカで年収10万ドル(約1230万円)を稼ぐ人は全労働者の5%程度というデータがあるが、そんな人物は大企業の役員室にしかいないと思い込むのは間違いだ。
元に記事はこちら:forbesjapan
このような記事がありました。ここから何が読み取れるかという事は大切なことです。
上位15の職種を引用すると、以下になります。
1位:ニュースキャスター
2位:天文学者
3位:数学者
4位:葬儀会社のマネジャー
5位:アート、演劇、音楽分野の高等教育機関の教師
6位:水先案内船の船長、船員、パイロット
7位:探偵、犯罪捜査官
8位:農場主、牧場主、その他の農業管理者
9位:カジノ・マーネジャー
10位:水質学者
11位:舞台のメイクアップアーチスト
12位:ライター・作家
13位:運行管理者
14位;高等教育機関の家政学の教授
15位:エレベーターの施工者・修理者
この職種名だけを見ると、専門家や技術者という印象です。ではそれぞれを職種別にカテゴリ分解をしてみましょう。
数の多い順番です。
個人スキル系(4)
1位:ニュースキャスター、7位:探偵、犯罪捜査官、11位:舞台のメイクアップアーチスト、12位:ライター・作家
マネジメント系(4)
4位:葬儀会社のマネジャー、8位:農場主、牧場主、その他の農業管理者、9位:カジノ・マーネジャー、13位:運行管理者
学者系(3)
2位:天文学者、3位:数学者、10位:水質学者、
教育系(2)
5位:アート、演劇、音楽分野の高等教育機関の教師、14位;高等教育機関の家政学の教授
技能系(2)
6位:水先案内船の船長、船員、パイロット、15位:エレベーターの施工者・修理者
直接のクライアント別に分類してみます。
個人BtoC(2)
7位:探偵、犯罪捜査官、12位:ライター・作家、
法人BtoB(13)
1位:ニュースキャスター、4位:葬儀会社のマネジャー、9位:カジノ・マーネジャー、11位:舞台のメイクアップアーチスト、8位:農場主、牧場主、その他の農業管理者、13位:運行管理者、2位:天文学者、3位:数学者、10位:水質学者、5位:アート、演劇、音楽分野の高等教育機関の教師、14位;高等教育機関の家政学の教授、6位:水先案内船の船長、船員、パイロット、15位:エレベーターの施工者・修理者
このように大半が法人向けのBtoBサービスになりますね。
これは一般的にBtoCの市場規模よりも、BtoBの規模は8~10倍と言われていることと一致します。
そして、ほぼすべての職業はサービス業であるということも見逃せません。サービス業以外では、創作・学問・教育といった職種のみです。
サービス業(9)
1位:ニュースキャスター、7位:探偵、犯罪捜査官、11位:舞台のメイクアップアーチスト、4位:葬儀会社のマネジャー、8位:農場主、牧場主、その他の農業管理者、9位:カジノ・マーネジャー、13位:運行管理者、6位:水先案内船の船長、船員、パイロット、15位:エレベーターの施工者・修理者
非サービス業(6)
12位:ライター・作家、2位:天文学者、3位:数学者、10位:水質学者、5位:アート、演劇、音楽分野の高等教育機関の教師、14位;高等教育機関の家政学の教授
製造業(0)
さらにそれぞれの最終的な消費者のニーズ向けに分類してみます。
生活関連(5)
4位:葬儀会社のマネジャー、8位:農場主、牧場主、その他の農業管理者、15位:エレベーターの施工者・修理者、14位;高等教育機関の家政学の教授、10位:水質学者、
移動交通関連(2)
13位:運行管理者、6位:水先案内船の船長、船員、パイロット、
娯楽文化関連(4)
11位:舞台のメイクアップアーチスト、9位:カジノ・マーネジャー、5位:アート、演劇、音楽分野の高等教育機関の教師、12位:ライター・作家、
問題解決(1)
7位:探偵、犯罪捜査官、
知識関連(3)
1位:ニュースキャスター、2位:天文学者、3位:数学者、
このように分けてみると、今何が消費者のニーズがあるのかがわかります。
最多の生活関連は、ほぼ衣食住にかかわること。特に食が多い印象ですね。
次に多いのが、娯楽や文化関連。なんかここだけ見ると、作家の脚本を、学校で演劇を学んだ俳優が、メイクアップしてもらうようなという連携の図式が見えます。
ここで考えたいことが、5年前はどのような職種だったのか?を調べることで、消費者のニーズの変化がつかめます。またそこから5年後の予測もできるのではないでしょうか?
基本的に、すべての職業は「代行」です。ほとんどすべての事は消費者は自分でできることなのです。ただ人生の時間やスキルの取得や手間を考えて誰かにかわりに依頼する。
例えば、洗濯機も主婦の洗濯の代行です。その競合がクリーニングであり、汚れにくい服であったりするわけです。
では、このような「分解」するということを、自身のビジネスの消費者ニーズから逆に行ってみると、見える景色が変わってきます。
例えば、美容室のニーズと提供する価値は「キレイになる」その代行です。ここでは、キレイになる手段を考えられるだけ考えます。
表面の施術系
ネイル・エステ・まつげ、美容整形、など
内側からキレイ系
トレーニング、サプリ、健康食品、など
表面からキレイ系
アパレル、アクセサリーなど
まだあるとは思いますが、キレイだけを考えてもかなりあると思います。
では、もう少し掘下げます。なぜ「キレイになる」がニーズなのでしょうか?そこには、他人の目というものがあるわけです。ですので、キレイの先にあるニーズとしては、「良く見られたい」なのです。
さらに掘り下げると「なぜ良く見られたい」のか?になります。もうこの辺は消費者は意識していません。でも根底にある願望としては、絶対にあるのです。そして、そのニーズは多数あります。
では、ここから何が見えるのか?ですが、本質的なニーズを満たすための手段がどのように変わっているのかが見えてきます。
売上が下がった顧客が減ったという声は、近年よく聞きますが、その理由として競合の出現や単価の下落などがあります。しかし、その原因から何か解決はできますか?たぶん出来ないと思います。
なぜなら、本質的なニーズと、それを満たす手段の変化を捉えていないので、本当の競合が見えていないからです。よって、その対抗策も打てません。それが、見えてくると何を提供すれば良いのか?の予測がつくと思います。
社会が便利になることで、消費者の生活文化もあがりました。それにともないニーズは多様化しました。
そのニーズを満たすサービスを提供するには、リサーチや分析は欠かせません。事業者にとっては非常に難しい世の中ですが、この流れが戻ることは人類の歴史からみても絶対にありえないのも現実です。
ヒトは絶えず進化し続けるからです。ただ本質的なことは変わらないと思っています。進化によって表面的な手段が「置き換わる」ということです。
成熟した市場では、このように、マーケティングによってリサーチし分析し、その上で広告をするなどが必要です。なぜならニーズの変化や広い範囲での競合というものを見えていかないと勝てないからです。少し、難しい話になりましたが、事業をする上で知っておいても損はないと思います。
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