中小企業の採用の悩みを根本的に解決する3つの方法。

中小企業の採用の悩みを根本的に解決する3つの方法。

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中小企業やベンチャーでは、なかなか優秀な人材は採用できないものです。ただ、採用して人材を確保しないと事業は伸びない。多くの中小企業の経営者の悩みだと思います。

採用のコストもバカにならない。採用サイトに掲載しても、人気職種や大手企業の採用待遇面で負けてしまう。高額な人材採用コストをかけても費用対効果も良くない。今も昔も中小企業の採用には尽きない悩みです。

 

そのような中で、中小企業の人材採用の悩みを解決するには、どうすれば良いのか?人材採用コンサルや人材採用サイトではない目線から、解決策を模索してみました。

 

 

■はじめに、中小企業の人材採用の問題点を整理

 

中小企業の経営者はおわかりのことと思いますが、おさらいの意味もふくめて「なぜ、人材採用できないのか?」を簡単に整理してみます。

 

  • 会社の知名度が低く人気競争で負けることが多い。
  • 給与や待遇など採用待遇面で大手にはおとることが多い。
  • 不人気な職種である。
  • 同じ採用待遇面に会社が無数に存在するので埋もれてしまう。
  • そもそも、人材採用コストがかけれないので求職者にアプローチできていない。

 

多くは、このような内容でしょうか?

そして、人材採用の広告営業マンはこう言います。「掲載の文章をよくしましょう!」「プランを上げて目立つようにしましょう!」「楽しそうな写真を載せましょう!」

たしかに、それも大切な要素ですが、根本的な原因の解決にはなっていないので、次に人材を採用するときに同じことを繰り返します。

また、営業マンはどこの中小企業にも同じようなことを言っているハズなので、結果人材採用サイトは同じような掲載内容ばかりになる訳です。これでは、ますます求職者はわかりにくくなるばかりです。

 

 

■人材採用の市場を見てみる。

 

人材を採用するということも、考え方としてはマーケティングと同じだと思っています。まずは市場を知るということが大切です。採用市場を調べてみました。

まずは、転職の市場規模をリサーチしてみました。以下の表のようになります。

転職の総人口が、623万人。そのうち、失業者が228万人。在職中で転職の意志がある人が、395万人。このような数字になります。

参考までに、日本の就労者数は、5,924万人です。

 

一方、採用する側の企業数を見てみます。

企業数が、おおよそ421万社。うち、大手企業が1.2万社。中小企業が420万社。このようになります。

参考までに、従業員数の割合は、大手企業が 1,462万人で全体の34%。中小企業が 2,834万人で全体の66%といった数字になります。

(出典:中小企業庁「中小企業白書2012」)

 

次に採用の市場を見ていきます。

中途採用の市場を公共職業安定所(愛称:ハローワーク)の求人倍率で見てみると、1.19倍となります。

(2015・7現在)

新卒採用の市場をリクルート社のリクナビの数字から見てみると以下になります。

2015年3月卒者の大卒求人倍率は1.61倍、300人未満企業の求人数は対前 年増減率が+44.5%、累計掲載企業数 1,983社。

(出典:株式会社リクルートキャリア)

 

現在は、このような採用市場で競っているということになります。

■採用市場をマーケティング的に考えてみる。

 

細かな数字は、今回はだしませんが、大まかに見るだけで、明らかに需要と供給が崩壊してる状態です。

飲食店で言えば、お客よりも飲食店が多いような状態です。もうここで勝つには、飲食店なら「格安店にする」。もしくは「絶品人気店にする」。「ニッチな市場をねらう」このような感じでしょうか?

それが、採用なら「高給」にする。「成長人気企業」にするということになります。

しかし、前者は非常にリスクが高い。飲食店でも価格競争は大手の戦略です。後者にするにも、時間は相当にかかります。また、その為の人材も必要で、にわとりが先か卵が先か?の話になります。

 

では、その打ち手はなにか?

 

2つの方向性を考えてみました。

 

 

■中小企業の人材採用の打ち手1:本当に人材が必要かを考えてみる。

 

そもそも論にはなりますが、その採用したい人材数は本当に必要なのかを考えてみましょう。

実際にマーケティングのコンサルティングを行っていて感じることですが、中小企業の特徴として、すべてを人手で行おうとしている傾向が強いように思います。

 

例えば、間接部門の作業を見ると分かりやすいのですが、その仕事は、その人数の人でやるべき仕事ですか?といったところです。

これだけテクノロジーが進化しているので、世の中には、便利な優れたサービスや商品がたくさんあります。

それによって、多くの間接的な作業は、IT化やオートメーション化ができ、生産性をあげることが出来る時代です。しかし、中小企業へはそのサービスや商品の導入進んでいない。存在さえも知らないといた事が非常に多い。

 

なぜかというと、中小企業側だけに問題があるわけでなく、その商品やサービスを提供するベンチャーの多くが、最初の顧客の対象を大手企業にしているといったこともあると思います。その方が高単価でうれて、売上が立ちやすいからです。ベンチャーにはキャッシュ・フローは死活問題なので、そうなることは仕方がないことです。

一方、中小企業にも導入できる価格帯であっても、ITベンチャーは営業力が弱いケースが多いこと、また東京に集中しているので地方まで営業コストがかけれない。これらも、中小企業に浸透しない原因でもあると思います。

 

話を戻すと、日々の仕事のなかで、上手にITを取入れることで、人手が不要になる。もしくは生産性が格段にあがるといった事は、中小企業には非常に多いと思っています。

これは、間接的な仕事だけでなく、営業などの直接売上をつくる仕事でも、もっと生産性をあげることは出来ます。(見込み客マーケティング)取入れている企業では、営業効率が数倍よくなり、それによって出来た時間を顧客フォローに回す。そして顧客ロイヤリティを高め売上は伸びる。といった好循環の例もあります。

このようにITやマーケティングの手法を取入れることで、本当に人が行うべき仕事は、人に任せて、機械(IT)でよいことは機械に任す。これによって、人材採用の問題を解決するといった方法もとれます。

 

今は、人材不足という環境と、雇用の創出といった目的とで、相反することを行おうとしていると思います。ここは深い話になりそうなので、詳細は専門家にお任せしますが、ひとことで言うと人材の配置の問題だと思います。

 

 

■中小企業の人材採用の打ち手2:自分の専門以外は外注を活用する。

 

これは、とくに変わった方法ではないですが、とても有効だと思います。これには業務委託という方向と、人材派遣を使うという方向があると思いますが、後者では同じ人材の市場であって、単に雇用する企業と雇用形態の差でしかないので、大きくは変わらないかもしれません。

今回は、前者の「業務委託」で考えてみます。

 

まず、この人手不足という市場は、今後かわることはないと考えます。なぜなら、日本は人口減少の流れに入っていてこれを今すぐ改善できたとしても、その子供たちが仕事をするのは20数年後です。

そして、前述のITの波もかわりません。もっと進んでいきます。そうすると、仕事の内容も今まで以上に複雑になってくることは予想できます。

また、その仕事をこなせるようになるには、それ相応の教育と時間がかかります。これを自社で採用して、教育してとったコストを考えてみるどうでしょうか?その仕事は、自分の会社のサービスや商品、ましてや売上に直結しない仕事かもしれません。でも、必要とったジレンマがあります。

 

これを解決するシンプルな方法は、その専門家に業務委託するといった事です。これには、単にコストだけの問題解決でなく、大きなメリットがあります。

 

それは、「自社の得意分野に集中できる」。商品やサービスの開発やお客さんへの提供といった重要なことに、人も時間もお金も使えるようになるのです。人材の採用という点だけではなく、お客さんの獲得と売上の拡大といった、人材が必要な根本的な目標に対して有効な方法だと思います。

とくに、私がマーケティングや戦略のコンサルティングを提供しているという理由からだけでなく、中小企業に必要な集客や営業、事業の戦略を考えるといった売上につながる仕事を外注化して、専門家を使うといったことは有効と思います。

まだまだ、そのようなことは大手企業のすることだというイメージも多いようですが、競合他社が行っていないことをするから勝てるという持論があります。

 

話をもどすと、人材採用の解決策として、自社の人材は自社の強みを生むところに集中させる。その他は業務委託するといった方法もあります。

 

 

ここまでは、自社で採用をしなくとも良いといった方向で考えて来ましたが、どうしても採用したい!といったこともあると思いますので、次はその方向で考えてみます。

 

 

■中小企業の人材採用の打ち手3:新規事業を立ち上げる。業態を進化させる。

 

これは、マーケティングの視点でいうところの、売れる商品・サービスをつくるといったところになります。マーケティングでも、お客さんが求めない商品やサービスをいくら宣伝しても売れません。ニーズに合わすことが大前提です。

 

これと同じように、人材採用が出来ない理由のひとつにある人気のない職種、人気のない業界ということを変えてしまうのです。ただ、すべてを変えてしまうのは無理だとおもうので、新規事業を並行して立ち上げる。もしくは、今の業態を進化させるといったことが現実的になると思います。

 

人気がない職業や業界の特徴として、稼げるかどうか?その業界の成長性といたことが大きいと思います。求職者は、入社する前の段階では、それくらいしか判断できないと思います。

これは、私の経験になりますが、前々職の営業会社から、前職の美容系のIT会社に業態を変えた経験があります。(記事はこちら:http://inote.co.jp/innovation/business-building-i-can

この場合は、業種も大きく変わりましたが、自社にあったリソースの多くをそのまま活用しました。事業の基本であったお客さんは女性なので、女性向けサービスといった事は変えず、また営業力を活かすといったことも変えませでした。商品をWEBサービスに変えただけです。

そしてそのノウハウは初めはありませんから、前述の業務委託です。この時で、取り組み初めからは、おおよそ2年ほどかかりましたが、業態の変更は成功しました。女性の採用と定着も、営業会社に比べるとかなりよくなります。

 

このように、変えれるところは中小企業には、まだまだあると思います。これは、本質的な事業を成長させる、時流にあわせるといったことですが、人材採用でも問題解決としての根本的な解決になると考えています。

 

採用のコスト、採用できないことでの機会損失などを考えても、チャレンジする価値はあると思います。むしろ今の日本の環境では、やらないことがリスクかもしれません。

 

■まとめ

 

今回は、人材採用について3つの方法をマーケティング視点で、書いてみました。

 

人材を採用しなくとも乗り切る方向として2つ。

人材を採用するためにすることの方向として1つ。

 

ご参考になればと思います。

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